サンゴの飼育と言うと海水魚よりデリケートで難しいイメージがありますが、なかには海水魚が飼育できる水槽環境と最低限の光があれば飼育出来るほど丈夫なサンゴも存在します。
今回はサンゴ飼育初心者におすすめの丈夫なサンゴを紹介します。
丈夫で飼育が簡単なサンゴとは?
丈夫なサンゴの条件として水質変化と水質の悪化に強く、弱い光でも育成できる事が挙げられます。
それでもサンゴは魚よりデリケートなので、水質や光、水流などが合わないとポリプを開かないこともあり、状態よく育成するには魚より必要な要素は多くなります。
ソフトコーラル
ソフトコーラルは丈夫なサンゴが多く属するグループで、ディスクコーラルやマメスナギンチャクなどが有名です。ソフトコーラルは名前の通り固い骨格を持たず柔らかいのが特徴です。
ソフトコーラルは自然下でもサンゴ礁より少し水に栄養塩が多い場所を好むため特別な設備も必要なく、海水魚が飼育出来る水槽なら育成が比較的容易に行えます。
ただし海水魚よりは硝酸塩の蓄積に弱いので、もし魚しか飼育したことの無い水槽にソフトコーラルを導入するなら硝酸塩は計測しておきましょう。
ソフトコーラルなら硝酸塩の濃度は10ppm位までなら全く問題ありません。
照明は60cm水槽でLEDなら15〜30ワット、蛍光灯で40ワットほどあれば育成出来るでしょう。光量は多い方が状態良く育成できますよ。
一部、ウミアザミやクダサンゴは少しデリケートで不調を起こす可能はあります。上記の2種はソフトコーラルでも強い光と綺麗な水質を好み、飼育難易度も高いため、うっかり購入しない様に注意して下さい。
LPS
LPSとはボリュームのある柔らかい共肉と固い骨格の双方を持つサンゴで、ソフトコーラルより少しだけ飼育難易度が高くなります。
それでも水質さえ良好ならソフトコーラルと同程度の照明で育成できるLPSもあり、ソフトコーラルからのステップアップに最適です。
初心者におすすめのサンゴ10選
ディスクコーラル
ディスクコーラルは非常に丈夫なサンゴで、ディスクコーラルが飼育出来ない水槽では他のサンゴも飼育出来ないと言っても過言ではありません。
ディスクコーラルはマメスナギンチャクやスターポリプと違い、ポリプが開かずにコケに浸食される心配がなく、上記の2種よりもより飼育が簡単です。
サンゴの飼育が始めてなら、まずはディスクコーラルの飼育から始めてみるのがおすすめですよ。
分裂したり親株の近くに子株が出現して増えますし、たまに少し移動したりと他のソフトコーラルとは少し違う生態もディスクコーラルの特徴です。

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マメスナギンチャクも丈夫で初心者が育成しやすいサンゴの一つで、非常に沢山のカラーパターンがあることからマメスナばかりをコレクションする人も多い。
基本的にマメスナギンチャクは強健種で、強い光も必要なく栄養塩の多い汚れた水質にも対応するが、いじけてポリプが開かないと表面に茶ゴケが生えてきて調子を崩すことがある。
茶ゴケに対応したエビやギンポなどコケ取り生体で対処しよう。
マメスナはよく増えるサンゴで、親株は子株を付けてライブロックの上を広がる様に増殖します。
ディスクコーラルとは違いポリプ同士は基質となる部分で繋がっていますが、岩ごと割って分割することが出来ますよ。
スターポリプ
スターポリプも非常に丈夫なサンゴの一種で、蛍光グリーンやホワイトなどのカラーパターンがあり、マメスナ同様ライブロックなどの基質の上を広がるように増えていく。
スターポリプはソフトコーラルの中でも蛍光色が強く、育成しやすいサンゴの割に美しいので人気が高い。大抵のサンゴレイアウト水槽にスターポリプが入っているくらい定番のサンゴです。
強力な照明は無くても育成できますが、スターポリプは底面に置いてレイアウトする事が多いのでできるだけ強い照明を選びたい。ハイパワーLEDなどの強い照明を使うほど成長速度が速くなりますよ。

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カワラフサトサカ/カタトサカ
トサカは木のような枝振りでボリュームのある外見が特徴のソフトコーラルの仲間。
カワラフサトサカやナグラカタトサカ、ヌメリトサカはトサカの中でも飼育が簡単で、マメスナやディスクコーラルより少し強めの照明と水流を当てるようにすれば飼育も容易。
トカサの仲間は適度な水流を好むので、水流ポンプなでユラユラとなびく程度の水流を作ると枝が良く広がってくれますよ。
チヂミトサカはより強い照明と清浄な水質が必要です。またトサカには隠日性トサカと呼ばれる光合成をしないトサカもおり、飼育には給餌が必要なため育成難易度はかなり高くなります。
隠日性トサカは隠日性サンゴ専用水槽での飼育が基本ですね。

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ウミキノコ
ウミキノコはまるでエリンギそっくりなソフトコーラルで、やや強い光は必要となりますが丈夫なサンゴで、そのユニークな見た目はレイアウトのワンポイントにも最適。
ベージュ系とグリーン系があり、傘がメタリックグリーンのウミキノコは高値で取引されている。ポリプにもショートポリプとロングポリプがある。
ウミキノコは傘の上にゴミがたまらないように水流のある場所に配置しよう。
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ハナガタサンゴ
ハナガタサンゴはLPSの中でも飼育が簡単なサンゴです。ハナガタサンゴは一つの大きなポリプの単体生に分類されるサンゴで、真ん中に口が一つある姿をしています。
たまに2つから3つの口を持つ個体もいるため、単体生のサンゴではないとの意見もあるようです。
育成は簡単でLPS飼育の入門種にも最適なサンゴで、水質変化にも強く強い光も必要有りません。
ハナガタサンゴは2週間に1回くらい小さなクリルのカケラを給餌すると共肉が大きくなりますよ。でも餌を与え過ぎると太ってしまい色が薄くなる事もあるので注意しましょう。
オオバナサンゴ
オオバナサンゴはハナガタサンゴに似たLPSの仲間で、育成もハナガタサンゴ同様にLPSでは簡単です。
オオバナサンゴはハナガタサンゴよりカラーバリエーションが豊富で、カラフルな個体も多くコレクターも多いサンゴです。

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クサビライシ
クサビライシは砂の上に置いてレイアウトできるLPSで、裏側には平らな骨格が付いている。
クサビライシはLPSで唯一共肉を膨らませて自力で移動する事ができる珍しい生態が特徴的なサンゴだ。
飼育も砂に置いておけば良いので手間が掛からず簡単です。
底面に置く性質上、マガキガイやヤドカリが頻繁に上に乗ると調子を崩す事があるのでよく観察しましょう。
クサビライシには太い触手が複数生えたパラオクサビライシと言う種類がありますが、パラオクサビライシだけは非常に飼育が難しいので初心者は購入しないように要注意。
上級者でもパラオクサビライシの飼育は難しいみたいです。
キッカサンゴ
キッカサンゴは平たい板状の形状をしたLPSの仲間です。キッカサンゴの共肉は薄くSPSのコモンサンゴような外見ですが、LPSなのでオオバナサンゴと同程度の環境で飼育が可能。

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キクメイシ
キクメイシはサンゴ礁でも見かけるLPSで、複数のポリプが集まった外見をしており、ポリプの形状によりカクオオトゲキクメイシやカメノコキクメイシなどの種類に分けられます。
水質の適応範囲も広いキクメイシはあまり強い光を必要とせず、ライブロックの上に置いておけば弱い光の水槽でも育成できますよ。
たまに細かく砕いて水で溶いたクリルや魚の餌をパラパラ振りかけるように給餌するとポリプが肉厚になります。
成長速度は非常にゆっくりで、夜に触手を出す以外にあまり変化が無いのが難点でしょうか。
それでもキクメイシはカラーパターンや柄、ポリプの形状が色々あるのでコレクターも多い人気のLPSです。
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