盆栽飼育と言う言葉を聞いた事があるでしょうか、大型の熱帯魚を飼育されている大型魚マニアなら聞いた事がある方は多いかもしれません。この盆栽飼育は、本来大きく成長する大型熱帯魚を「小さく育てられる」飼育方法として、一時期雑誌などでも取り上げられた育て方です。
しかし、盆栽飼育は熱帯魚を虐待する行為であり、動物愛護が重要視されている現在、問題になっている飼育行為の一つでもあります。
今回は盆栽飼育が虐待の理由、大型熱帯魚飼育のありかたについて解説します。
盆栽飼育とは?
盆栽飼育と言う言葉自体を知らない方も多いでしょう。盆栽飼育は大型熱帯魚を「大きく育てない方法」で、「最低限の餌しか与えず」「狭い水槽のまま」飼育を続け、飼育者が大型魚の成長スピード・サイズをコントロールする飼育方法です。
ここで言う盆栽飼育は、少しだけ餌をコントロールするのではなく、餌やりと飼育スペースに過度な制限を加えて飼育する事を言います。
盆栽飼育をするなら飼育するべきでない
盆栽飼育しないと飼えない水槽しか用意できないなら、そもそも大型魚を飼育するべきではありません。好きなだけ餌を与えて育てられる環境を用意できる人だけが飼育できる魚です。
まず、大きく育てたくないのに大型魚を飼育する意味がわかりません。普通の人なら、大型魚は人より大きく育てたいと思うはずです。
小さく育てたいなら似たような小型魚で妥協するべきでしょう。
自分が常に空腹で狭い部屋に閉じ込められたらどう感じるか考えて下さい。魚に人間のような感情がなくても、本能的に受けるストレスは変わりません。
小さく育つとは限らない
盆栽飼育したからと言って必ずサイズが小さくなるとは限りません、成長スピードが遅くなるだけで、ゆっくり成長して、結局は大きく育つ事も多々あります。
結果的に川や池に捨てられる熱帯魚が沢山おり、ガーパイクの飼育が規制されたりと、大型熱帯魚・怪魚マニアが落胆した事例があります。
大型熱帯魚の盆栽飼育は虐待
盆栽飼育はメリット以上に、奇型に育ったり短命に終わるなどわデメリットが非常に多い飼育方法です。まだ人間の刑務所の方がマシな生活環境と言えるでしょう。
体型が崩れる
餌と水槽スペースを制限して育てた大型魚は、明らかに体型がおかしくなります。背骨や尾っぽなどのパーツが曲がったり、水槽に擦れてコブができる、目が変に大きくなるなど、鑑賞に適さない奇形のような残念な姿になってしまいます。もう何のために飼育しているのか分からない状態になりますよ。
このような個体は手放す事になっても、欲しがる人はほとんど居ないので、結局は自分で処分(安楽死)することになり、可哀想な結末を辿るでしょう。
熱帯魚ショップで引き取ってくれても、売れない魚は邪魔なだけなので、後で締めてしまう場合もあります。お持ち頂いた方には、表向きは「引き取り手が見つかった事にしておく」事はよくありましたね。
残念ですが、綺麗じゃない鑑賞魚には価値がないのです。
ストレスで体調を崩す
狭い水槽に閉じ込めておくと、物音に敏感になって暴れやすくなります。大暴れして飛び出したり、水槽を割って死んでしまう事故はよく耳にします。
見た目も体色がくすみ、鱗の艶もなくなって、肌が荒れて栄養が足りていないのが分かる状態になる事も。
急死
熱帯魚も栄養不足の飢餓状態や、ストレスが重なると急死することがあります。盆栽飼育をしていると昨日までは元気そうでも、突然急死するパターンが多く見られます。
魚は顔に出しませんし、弱っている姿を見せると自然かでは狙われてしまうので、瀕死になるほど体調が悪くなるまで分からない場合もあり、手遅れになってしまいます。
捨てられる熱帯魚が急増
アクアリウム・熱帯魚飼育は家で楽しめる趣味として、コロナ禍で人気が高まっている趣味の一つですが、その反面、飼育しきれなくなった熱帯魚を川や池に捨てる「密放流」する人が昔からおり、日本でも既にグッピーやプレコ、アメリカナマズ、クララなどの外来種が定着している河川もあります。
多摩川に至っては「タマゾン川」などと呼ばれるほど沢山の外来種が確認されています。
飼育できなくなった場合
大きくなり過ぎた以外にも、引っ越しなど、様々な理由で熱帯魚の飼育が困難になる場合がありますが、その場合は処分する方法が幾つかあります。絶対に川や池に捨ててはいけません。
熱帯魚ショップに引き取ってもらう
熱帯魚ショップなら飼育しきれなくなった熱帯魚を引き取ってくれる場合もあります。大型魚は入れる水槽が無かったりして引き取りを拒否される場合もあります。
引き取り相手を探す
ヤフオクなど、ネットオークションに引き取り限定で1円から出品すれば、意外と近場でも引き取り手は簡単に見つかります。
発泡スチロールと専用ビニール袋、酸素缶があれば自分で梱包発送もできますし、熱帯魚ショップに相談すればパッキングくらいは頼めるかもしれません。
生き物の取引が無理なフリマサイトもあるので注意しましょう。
安楽死
引き取り手も見つからず、どうしても処分するしかないなら、最後の手段として「安楽死」させるしかありません。
可哀想だからと川に放してしまうと、本来生息している沢山の魚や生物が食べられて犠牲になります、どんなに可哀想でも、あなたが飼育している魚の命1匹だけの犠牲で済ませましょう。
魚用の麻酔薬を使用
安楽死の方法は様々で、一番確実なのは魚用の麻酔薬が売っているので、水位を減らして大量に投入し、動かなくなったら冷凍するか、首を落とします。
コストがかかりますが、麻酔薬を使えば最小限の苦痛で安楽死が可能です。
氷締め
30cm以下の熱帯魚なら、スーパーで売っている氷を大量に投入して「氷締め」でも安楽死が可能です。大抵の熱帯魚は低体温になると活動を停止するので、動かなくなったら冷凍庫に入れて確実に締めましょう。
肉厚な魚や、そもそも低温に強い魚は活動を停止するまでに時間がかかる場合があるのが難点です。
神経締め
飼育者の精神的な負担が大きい方法ですが、魚を水槽から取り出して、首の後ろの脊椎をナイフや包丁で切断すれば一瞬で死亡します。最も短時間で死亡する方法ですが、大型魚は表皮が硬く上手く切れなかったり、暴れて怪我をする可能性があるので、やはり麻酔との併用がおすすめです。体が硬い魚はハンマーで叩いて一気に切断するなど工夫してください。
日本動物薬品の魚類用麻酔薬は、熱帯魚に使用する麻酔薬の定番です。ナマズや古代魚は使えないとありますが、安楽死に使う場合は死亡させるので問題ありません。
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まとめ
大型魚に可哀想な思いをさせないように、飼育できる水槽や機材を用意できるのか、高額な費用や維持費を出せるのか、良く考えてから購入しましょう。
1匹でも不幸な大型魚の数が減れば幸いです。